Cell

「Cell」という言葉は英和辞典で引くと、「名:基本組織、(生)細胞、班、チーム」などと出てくる。

しかし、私にとって「セル」という意味は、「ドクター・ゲロが戦闘の達人の細胞を集め、その細胞を合成させた人造人間の研究を始めたが、時間がかかりすぎるため途中で断念したにもかかわらず、コンピューターはそのまま作業を休むことなく続け、生み出された史上最強の怪物」である。

私にとって「セル」は世界で2番目に好きな悪者である。
ちなみに、1位は魔人ブウである。理由は何でも吸収し学ぼうとする意欲が好きだからである。

完全に余談であったが、今回は一つの報告をしたいと思う。
私はエチオピアにJICAボランティアとして来て、ずっと「ボランティアとは何か?」ということを考えながら活動してきた。それは1年4ヶ月経った今でも変わらない。
「自分ができること」「自分がしなければいけないこと」「自分がしたいこと」これらのことを常に考えていた。

そして今回「ボランティアとは何か?」という問いの答えに少し近づけた活動を報告したいと思う。

その活動の計画は今年の3月、先輩である宮沢ミッシェル氏がエチオピアに来た時から始まった。
彼は、私のサッカー部とドルベテの子どもたちを見て一言つぶやいた。

ミッシェル「ゲンタ、この子たちにサッカーを教えないとアカンぞ。例えば、お前のクラブの子にコーチをやらせるとか」

衝撃が走った。

元々、2年目はキッズ年代から小学生、中学生と全てのカテゴリーでサッカーをする機会を作ろうと考えていただけに、この発想は私の気持ちを奮い立たせた。

思い返すと大学3年の時、私は地域総合型スポーツクラブであるBSC(BIWAKO SPORT CLUB)で半年間だけ小学2年生にサッカーを教えていた。
そのクラブはびわこ成蹊スポーツ大学サッカー部の学生が小学生に対してサッカーを教えるというもので、私もそのうちの一人として指導に携わっていた。
今思い返しても、あの時の小学2年生の子どもたちは強すぎた。
おそらくこの方法を取り入れたのは、名将・松田保氏だと思われる。

このミッシェル氏の一言と松田保氏の方法を思い出し、私はあるプロジェクトを考えた。(JICAには専門家と呼ばれる人たちがありとあらゆる分野でプロジェクトを行っているため、私も真似をしかっこよくプロジェクトと言っている)

その名は、
「セルJr.プロジェクト2011」

言うまでもないが鳥山明大先生の許可など取っているはずもない。

このプロジェクトを簡潔に説明すると、要するに私が「セル」でWe are the World FCの選手たちが「セルジュニア」である。

私の一つの大きな目標としてこのプロジェクトがあった。
練りに練った結果、先週の日曜日、ついにこのプロジェクトをスタートさせることに成功した。

日曜日に集まったG1~G8(小学1年生から中学2年生)までの人数およそ120人。
コーチとして自主的に名乗りを上げてくれた「セルジュニア」たち20人(中には「コーチやったらサッカー上手くなるのになぁ」と半分強制した感じもあったが・・・。)

コーチの多くは去年から私のチームで一緒に練習してきた生徒が多いため、私の考えや私のやり方をよく理解している。彼らがこれらを伝えることができれば、私が伝えなくても、私の意志や思いは伝わることになる。
おそるべき「セルジュニア」。そして「セル」のポジション・・・。

だが、このプロジェクトが上手くいくかどうかは、わからなかった。
「本当に指導をするのだろうか?」
「ゲームをやらせるだけにならないだろうか?」
「子どもたちはサッカーを楽しむことができるだろうか?」

しかし、そんな不安は無用だった。
次の日の月曜日、練習日、練習時間を全て把握している私は彼らの練習時間に顔を出した。


感動だった。


そこには小さなコーチたちが一生懸命さらに小さい子どもたちを指導していた。
ウォーミングアップをし鬼ごっこをし、パス練習やドリブル練習、そしてゲームと練習の組み立てまでしっかりと行っていた。

そして彼らは指導が上手かった。子どもたちの扱い方、子どもたちへの言葉かけ、とても初めての経験とは思えなかった。
絶対に私が小学生を教えるより、彼らが教えた方が効果があり、しっかり伝わると思った。
言葉や文化を知り尽くしている彼らは強かった。

私の方が勉強させられた・・・。

さらに彼らの練習や言葉かけを注意深く見ていると、つい笑みがこぼれ、一言、

「セルジュニアやん!!」

と叫んでしまった。
そう、彼らの練習メニューや言葉かけそしてチームの方針まで全てが私のコピーであり、私が伝えてきたことをそのまま忠実に子どもたちに伝えていた。
まさに「学ぶ」は「真似ぶ」である。

「出席表をつくって来ている者」
「私がいつも与える罰ゲームを与えている者」
「遅れてきた者に対し、出て行けー!!と怒鳴っているもの」

そして一番、笑ってしまったのが、ある一人のコーチの最後の言葉、

「いいか、次の練習の日までに一人一球ボールを持ってくること。ボールが無かったら作れ!!そして持って来い。ボールがないと君たちは成長できない。逆にボールがたくさんあると成長できる!!だからボールを一人一球持って来い!!」

と私が常日頃から言っている言葉をそのまま子どもたちに伝えていた。
ただ、そのコーチ自身が私の練習で全くボールを持ってこないのだが・・・。

私は彼らから学んだ。子どもたちは指導者が思っている以上に指導者のことを見ているのだと。
よって、下手な指導はできないし、下手な発言もできない。私自身もっともっと成長し、良い指導者になることによって彼らも良い指導者そして選手になるのだなと感じた。

要するにもっと勉強しよう。

そして、松田保先生のアイディアと宮沢氏のアドバイスには、心から感謝したいと思います。

最初はミーティング
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出席をとる子もいる
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エンジン全開!!
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ストレッチは重要です!
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センスが感じられる彼の指導
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うりゃあー!!!!
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うほっぉ!!
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お疲れさまでした!!
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これぞセルJr.プロジェクト!!!!
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by genta_ishibe87 | 2011-11-03 03:34  

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